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インドのシリコンバレー(インド訪問メモ その3) (2007年04月20日)

 2月28日、インド時間朝6:30。Jet Airways社のエアバスでプネー空港を立ち、バンガロールへ向かった。

 ナショナリズムの高揚からだろうか、近年、インドでは地名の変更が相次いでいる。マドラスがチェンナイに、ボンベイがムンバイに、プーナがプネーに、カルカッタがコルカタにというふうに、イギリス植民地時代の名前が旧称に戻されていっている。そして昨年11月、カルナータカ州政府はバンガロール(Bangalore)をベンガルール(Bengalooru)に変更すると宣言した。しかし、外国人のみならず、現地人もこの地名変更には馴染めないようだ。バンガロールは今、すでにインドのシリコンバレー、世界のオフショアリングセンターとしてのブランド名となっており、安易な名称変更は歓迎されないからである。

 JISAの統計によると、2005年、日本向けオフショア開発の71%は中国で、インドはわずか3%に過ぎない。だが、インドは世界全体のオフショア市場の80~90%を占めている。2005年のインドのソフトウェア輸出は172億ドルで中国(36億ドル)の約5倍、そしてその輸出額の約半分がバンガロールで創出されたと言われている。オフショアベンダー1,500社、システム開発技術者15万人を擁するバンガロールは、欧米のIT産業のアウトソーサーやバックオフィスとして大きな役割を果たしている。

 バンガロール近郊にはインフラ整備の行き届いた主なハイテックパークが3つある。インド・ソフトウェア・テクノロジー・パーク(STPI、Software Technology Parks of India, Bangalore)、インターナショナル・テクノロジー・パーク(ITPL、International Technology Park Ltd.)、エレクトロニクス・シティ(Electronics City)である。今回は時間の関係もあり、中に入ることは出来なかったが、外から眺めていてもこれらのハイテックパークには整備された道路、立派な住宅や安心できるサービス施設まで揃っていることが伺える。バンガロールの大企業はゲートに自動小銃を手に持った警備員がおり、物々しい雰囲気に最初は違和感を覚えるものの、一歩中に入れば、学園都市のキャンパスのような綺麗で広々とした敷地が広がっており、快適な空間である。

 バンガロールで現地企業に勤める若い日本人技術者と昼食を取るチャンスがあった。社命によりプネーで研修をしている間に、すっかりインド企業に惹かれ、研修が終わってからも日本の会社に戻らずそのままバンガロールのIT企業に転職したという。(続く)

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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