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ソフトウエアパークのある町を行く (無錫 下) (2007年05月14日)

 『フォーブス』誌の記事によれば、インド大手アウトソーサーのインフォシステクノロジーズは2006年1年で、従業員数が2万8,500人も増えたという。2007年2月末訪印した時に従業員数は6万6千人と聞いたが、3月1日現在はすでに7万7千人を超えたという報道もある。普通に考えられない驚異的な成長振りである。中国はインドと比べ総じて会社が小さく、採用規模も小さいものの、採用の倍率ではそれ以上に速い企業もある。

 無錫でもこのような急成長が続くアウトソーサーに出会った。2003年に15人でスタートしたH社は現在550人となっているが、年内に1,000人の大台に乗ると創業者兼CEOのW氏が目標を言う。

 私は特にこの会社の人材採用方針に新鮮感を覚え、納得している。W氏は、当社は一流大学のエリートではなく、地方大学出身で良く勉強していた新卒者を積極的に採ると言っている。多くの中国系企業は日本のお客さんにアピールする材料として、採用してきた一流大学卒の従業員数を見せびらかしている中、W氏の考え方は非常に現実的で且つ実用的だと思っている。H社は業界の中でも離職率が非常に低いという市政府幹部の評価を聞いてその理由はこの採用方針にもあるのではないかと思っている。

 特にオフショア開発で多いアプリケーションシステム開発の現場では、いわゆる頭脳優秀なエリートも必要ではあるが、勤勉で単純な重複作業も厭わない従順な技術者がもっと多く必要とされている。日本の大手電機メーカーのシステム部門で6年間経験を積んできたW氏はその要諦を最も掴んでいるに違いない。

 翌朝。南京への出発時刻まで少し時間があったため、通勤ラッシュで超満員の市営バスに乗り込んで太湖へ向かった。計画外の行動だったが、「商聖」(ビジネスの神様)とも言われる范蠡が隠遁後西施と船を浮かべたという漁父島と蠡園を訪ねることが出来て満足だった。無錫は観光地としても見るべきところが多い町である。

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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