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中国製品安全性の問題はメディア… (2007年08月17日)

 中国製品安全性の問題はメディアのセンセーショナルな報道も手伝って日米をはじめ、各国で国民の一大関心事となっており、一時は中国製品不買運動でも起こりそうな雰囲気さえ漂っていた。報道では様々なリポートや分析があり、その矛先は大半中国政府の監督責任と中国業者のモラル低下に集中している。

 確かに中国の政府と業者には問題が多く糾弾すべきところも多い。特に地方では、地方政府の地方保護主義や涜職・汚職の氾濫が進む中、不良業者が消費者の安全と健康を無視してまで利益を追求してきた罪が深い。最近、中国政府はこのような不良業者に生産停止命令を下したり、安全基準に満たしていない製品のブラックリストを公表したりして厳罰姿勢を打ち出しているが、どこまで本気なのか、どこまで持続できるのか楽観視してはいけない。

 しかし一方で、日本の輸入業者にも責任が大きいことはしばしば見落とされている。

 中国に大挙にして進出して、ローカル企業より直接製品を調達している一部の輸入業者も、消費市場の激しい価格競争に負けまいと製品の品質と安全性よりも価格と見た目ばかりを重視してきたのも事実だ。言ってみれば彼らも製品安全性問題の「共犯者」である。

 話題の練り歯磨き(ジエチレングリコール成分)、土なべ(鉛)、塩ビのおもちゃ(フタル酸ジエチルヘキシル成分)、圧力鍋(やけどの危険性)、たこ焼き器(発火の恐れ)等々、これらの問題となっている製品は何れも輸入業者の入念なチェックにより水際で発見すべき問題だが、輸入業者はそれを怠っていたと言わざるを得ない。

 輸入業者のモラルと責任も問われるべきである。

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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