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中国IC産業の成長率が反落 (2008年09月03日)

 賽迪顧問(CCID)が発表した最新の「2007年1-6月中国IC産業研究報告書」は、2007上半期、全世界の半導体市場の連続成長と国内IT製造業の安定した発展に伴い、中国IC産業の成長も安定していることを示している。賽迪顧問の統計によると、1-6月中国集積回路の総生産量は前年比15.2%増の192.74億個となり、その伸び率は2006年上半期の48%より多少下落したものの、業界売上総額は前年同期比33.2%増の607.22億元に上った。

 上半期における国内IC産業チェーンの各部門の発展状況からみると、IC設計、チップ製造とパッケージテスト3産業の景気状況は異なることがわかる。第1四半期の世界半導体市場の伸び悩みの影響を受けたが、生産ライン増設により生産能力が拡大したことで、国内チップ製造業とパッケージテスト産業の売上高は引き続き急速に増えている。上半期、チップ製造業の売上高は前年比34.3%増の184.05億元、パッケージテスト産業の売上高は前年比36.1%増の327.84億元となっている。IC設計産業においては、MP3、ビデオカメラなど端末電子製品市場の伸びが小さかったことが影響し、上半期の売上は前年同期より下落、その売上高は95.32億元で、同時期の伸び率が前年の50.8%から22.8%に大幅に反落した。

 地区別でみると、長江デルタ地域は現在国内IC産業の最大級の密集地であり、上半期の伸び率が一番大きい地域である。1-6月の長江デルタ地域IC産業の売上高合計は前年比37.2%増の447.23億元に達した。(賽迪顧問の統計)またこのほか、京津環渤海地域と珠江三角洲地域も現在国内においてIC産業が比較的集中している地域である。上半期、この2地域のIC産業の成長は緩慢である。そのうち、珠江三角洲地域のIC産業の伸び率は2006年上半期の60.6%から24.7%に大幅に下落、売上高は32.52億元にすぎない。対する京津環渤海地域のIC産業の売上高は同期比2.16%増の112.1億元に上った。

 国内外のIC市場と産業環境について総合的に分析すると、2007年は、国内IC産業は2006年43%の高成長の局面から脱却し、安定成長期に入る見通し。産業規模の年間伸び率は30%前後にとどまり、売上高は1310億元程度と予想される。その中で、チップ製造業とパッケージテスト産業が産業規模拡大の主な原動力となることで、2007年伸び率は小さくなるものの、中国が全世界のIC産業の中で成長速度が一番速い国であり、その中での地位も更に上がるであろうことは間違いない。今年の年末には、中国の全世界IC産業に占める売上高の割合が8%を上回る見込みなので、「第十一次五カ年計画」で定められた「2010年までに国内IC産業の規模が全世界の8%を占める」という目標を三年も繰り上げて実現することになる。




コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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