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豚肉ドロボーとニセタマゴ (2007年09月29日)

 8月の中国の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比6.5%の上昇と、10年前、1997年1月(5.9%)以来の高水準になりました。特に、庶民の生活を直撃する食品の価格は同18.2%の上昇と、かなり危険な状態になっています。

 過剰流動性によるインフレは、昨年までは不動産や株式市場という、どちらかと言うと金持ちの世界の話だったのですが、今年に入ってからは食品に波及し、庶民の生活を圧迫し始めています。

 この食品価格の上昇により、中国では数々の珍事件が発生しています。

 まず、広東省深セン市では、豚肉の価格高騰を知った男が、オートバイに積載された豚肉125kg、末端価格3,000元(48,000円)相当をオートバイごと強奪する、という事件が発生しました。

 男は豚肉を積んだオートバイで逃走したのですが、豚肉が重過ぎてオートバイのスピードが出ず、通報を受けて追跡した警察官にあっけなく取り押さえられてしまいました。

 いくら高くなったと言っても、所詮は豚肉。重いわ、かさばるわ、腐るわ、ですので、ドロボーの対象としては、あまり賢い選択とは言えません。

 もう1つは、河南省鄭州市でニセタマゴが発見される、という事件が起きました。

 このニセタマゴ、白身はアルギン酸ナトリウム水溶液を主原料とした半透明の液体、黄身はこれに黄色の着色料を加えたものなのだそうです。

 現在、タマゴの販売価格は1kg 6.5元(104円)前後まで高騰しているのですが、このニセタマゴの製造コストは1kg 0.55元(9円)と1/10以下なのだそうです。

 こちらは、豚肉ドロボーに比べればかなり知的ではあるのですが、騙されてわけのわからないものを口に入れさせられる消費者の側から見れば、こちらの方がずっと悪質です。

 ニセタマゴ生産業者の中には、黄身のホンモノらしさを追求するために、でんぷんや小麦粉を添加して、口当たりを良くするなどの努力をしている人もいるとのことです。

 その努力、まともな商売で発揮すれば、ニセタマゴなど作って危ない橋を渡らずとも十分成功できると思うのですが...。

コラムニスト 柳田 洋 Yanagita
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最終更新日 2012-04-27

 

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