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今年2月、インドで滞在していた1週間は…… (2007年10月22日)

 今年2月、インドで滞在していた1週間は、連日カレー料理のオンパレートだった。一言でカレー料理と言っても種類が多く、今までに食べたことも想像したこともない、そして今も上手く表現できない味ばかりだった。日本や中国のカレー料理が如何に単純なのかと考えさせられる毎日だった。カレーが好きな私はずいぶん堪能してきたが、最後にはやはりカレーの入っていない食事を求めるようになっていた。しかし、プネで食べた中華料理のチョコレートで作った春巻きにも目を見張ったが、麻婆豆腐や野菜炒め等にもカレーが調味料としてたっぷり使われていたことには閉口した。

 そして、先週中国西南部の主要都市重慶を訪問していた時にも同様の思いをした。

 重慶はもともと四川省に属していたが、西部開発という国家戦略に伴って1997年3月14日に開会された第8期全人代第五次会議で直轄市に昇格したため、四川省から独立した。したがって料理は四川料理系だと思っていたが、そんなことを現地の店の人に話してみると「いや、我々は重慶料理だ。四川料理とは違う。重慶料理は酸、甘、苦、辣、香、麻、咸の「七滋」(七つの味)を巧みに用いた『味覚の交響曲』だ」と言われた。

 重慶に着いた日の夕食にもっとも典型的な重慶料理である重慶火鍋を「小天鵝火鍋」で食べた。柔らかいラムと牛肉をはじめ、大連から空運されてきた海鮮、郊外の農家から仕入れてきた北方人の私には名も知れない新鮮で種類豊富な野菜、あれもこれも食欲を誘う食材ばかりだが、一番印象的なのは何と言ってもあの強烈でしびれるほどの辛さであった。

 重慶火鍋の「辣」(ラー)を生み出したのは重慶特有の唐辛子と山椒だが、重慶で食べたすべての料理にはこれが入っているようだった。豆腐料理やスープ類はもちろん、煮魚も麺類も餃子の餡にも漏れなく唐辛子と山椒が入っているのである。重慶にいた二日間、全身の神経が総て目覚めて今までに体験したことのないこの強烈な味覚の襲撃に臨んでいたような思いだった。



 日本にも重慶火鍋の専門料理店がある。横浜中華街の大通りを善隣門から入って、少し歩いたところ右にあるチャイナスクエアにある120席の本格的な重慶料理店であり、その名もずばり「重慶火鍋」である。しかし、この強烈な「辣」と「麻」が楽しめる程強靭な舌と胃袋の持ち主が日本では少数派のようで、重慶火鍋は広く展開されていない。

 その隙を狙っているかのように最近、中国内蒙古が本拠地の大手火鍋専門店「小肥羊(しゃおふぇいやん)」の日本進出が目立つ。羊のキャラクターが入った緑の看板の日本第一号店が渋谷センター街にオープンしたのは2006年6月だったが、その後間もなく赤坂のプラザミカドビルでも営業を開始した。そして3号店も新宿で開店を控えているという。

 1999年に創業して以来、中国本土では600店舗を展開し、中国第二位の外食チェーン大手企業にまで急成長してきた「小肥羊」の日本法人代表寇志芳氏は、「数年内に日本列島に20から30店舗を展開し、日本での株式上場も視野に入れる」と抱負を語っている。

 「小肥羊」では、「微辣」(甘口)、「中辣」(辛口)、「重辣」(激辛)の3種類のスープを用意してもらうことができるという。

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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