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世界シリコンウエハーOEMの急成長 (2008年09月03日)
1.市場規模の拡大
ここ数年、世界シリコンウエハーOEM市場の成長がめざましい。2006年に初めて200億ドル(米)を突破、232.74億ドルに達し、2002-2006年の業界全体の伸び率は19.8%と、同時期の世界半導体市場を大幅に上回った。 メーカー別に見ると、台積電(TSMC)、聯電(UMC)など、純正なファウンドリ(Pure-play Foundries)が、ずっと主要な地位を占めている。現在、全市場の売上における割合は約85%、平均伸び率は22.2%にも達する。対するIBMや東芝など他社製品も扱う企業(Non Pure-play Foundries)のファウンドリ業務の伸び率は明らかに緩やかだ。2002-2006年,売上の平均増加率は9.7%、市場全体に占める割合も、2002年の21.7%から2006年には15.3%にまで落ち込んだ。 世界のシリコンウウエハーOEMの、チップ生産ラインを見ると、近年200mm及び300mmの伸びが大きい。2002-2006年売上の平均伸び率はそれぞれ26.4%と28.2%、2006年の市場全体に占める割合は、それぞれ56.7%と19.9%であった。対する150mmは年々衰退の傾向にあり、2002-2006年の売上平均伸び率は-2.8%、市場全体に占める割合も2002年の31.1%から2006年の13.5%へと下降している。 また、世界のシリコンウウエハーOEMの主流は、0.35~0.11μ製品である。ここ数年、90㎚以下のものが台頭してきているとはいえ、2006年までにおいては市場の4分の3を占めている。ただし、90㎚以下の製品は、2003年の4.4%から2006年の18.7%へと急激に伸びている。一方、2006年の0.5μm以上の製品はわずか4.5%であった。 2.すさまじい生産能力の拡張 市場の急成長に伴い、シリコンウエハーOEMの生産能力自体も急激に伸びている。2002-2006年,全世界のシリコンウエハーOEMの生産能力は60%も拡大し、年間2356万件にも達した。(200mmチップに換算) 構成上は、200mmが主力であり、その売上高は市場全体の65%にも上る。同時に300mmも近年拡大してきており、2006年までですでに市場総量の17%となっている。逆に,150mmは年々下降しており、同時期における売上高は市場全体の18%である。 生産能力利用率は、2002-2006年の平均が、150mm、200mmおよび300mmにおいてほぼ同じくらいで、それぞれ87.2%、85.5%、86.6%である。ただし各年度別に見ていくと、300mmは基本的に安定しているが、150mmと200mmに関しては、年によってばらつきが見られる。 構成上では、0.35~0.11μm製品の生産能力が主体となっていて、2006年全体の生産能力に占める売上高が66.4%にも上る。また90㎚以下製品については、2003年から2006年までの市場全体売上高が、2.4%から14.5%まで急速に拡大している。対する150mmは、2002年の30.5%から2006年には17.3%にまで下がっている。 3.将来の見通しは明るい 今後の全世界シリコンウエハーOEM市場は、間違いなくこの急速な成長を維持していくだろう。平均伸び率は12.4%前後、2011年には2006年の倍近くの市場規模404.8億ドル(米)に達すると予想されている。 各メーカーの伸び率予想は、以下の通りである。純正なファウンドリの売上高の平均伸び率は13.4%前後を維持、2011年には357.06億ドル(米)に達する。対する他社製品も扱う企業においては、伸び率6.3%、2011年には47.73億ドル(米)となるだろう。 発行者:賽迪顧問股份有限公司(CCID)半導体産業研究センター コンサルタント 李珂 |
コラムニスト | CCID |
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最終更新日 | 2012-11-14 |