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1月8日、スターバックスの経営トップが… (2008年01月21日)
1月8日、スターバックスの経営トップが更迭され、創業者のハワード・シュルツ会長が8年振りにCEOに復帰した。現CEOのジム・ドナルド氏は業績不振の責任を取り退社した。
だが、スターバックスの売上げが激減し、昨年1月から1年の間に株価が50%も下落したのはドナルド氏の経営手腕というよりも、かつて経験したことのない環境の厳しさによるものが大きかった。サブプライム問題や燃料費高騰のほか、相次いだライバル企業のスペシャルコーヒー事業参入は1971年シアトルで開業して以来、順風満帆だったスターバックスの業績に大きな影を落とした。 中でもマクドナルドの攻勢が痛手だった。この世界最大級のファーストフードチェーンは合衆国の隅々に点在されている1万4千店舗にカフェバー・McCafeを置くことを計画し、現在までに既に千店近くが営業を開始している。スターバックス同様、McCafeでは訓練されたバリスタが味にこだわる顧客に周到なサービスを提供している。プロの味とリーズナブルな価格に惹かれたMcCafeファンは年々増えてきているため、必然的にスターバックスの顧客が取られていったわけである。 だが、米国では苦戦しているスターバックスも中国では今大きなブームを呼んでおり、新しい活路を見出したようである。 先般、北京故宮店が世論と市民の間に物議を醸した結果閉鎖を余儀なくされたが、現在は大都市であの「船乗りとの縁が深いセイレーン」ロゴマークを見つけるのはさほど難しいことではない。スターバックスは1999年より中国に上陸し、今は香港、台湾、マカオを含めてすでに570店舗以上に上る。上海浦東区だけでも19店舗がある。 中国でスターバックスは、「小学生はマクド、中高生はピザハット、大学生はスタバ」と言われるほど既に若者の生活に浸透しつつある。 スターバックスは中国を米国に次ぐ第二の市場と見てマーケッティング戦略を立てている。スターバックス中国の王金龍総裁は、今後は大都市のみではなく、地方都市にも展開するつもりだと言っている。 お茶の故郷でハワード・シュルツ神話が再び繰り返されることはあるだろうか。 |
コラムニスト | 文 彬 |
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最終更新日 | 2011-08-20 |