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味千ラーメンと言っても、東京では… (2008年02月12日)

 味千ラーメンと言っても、東京ではピンと来ない人が多いかも知れない。新宿歌舞伎町と池袋3丁目に一軒ずつ、目立たない店しかなく、知名度もさほど高いものではないようだ。

 だが、熊本生まれ、九州味のこの味千ラーメンは現在、国内110店舗、海外210店舗という世界的なラーメンチェーンに成長している。昨年3月30日、中国法人の味千中国(アジセンチャイナ)が香港証券取引所メインボード上場を果たし、アメリカビジネス誌《ビジネスウィーク》が発表した「2007年アジア急成長企業トップ100」では一位にランクされている。

 味千中国は1996年に香港銅鑼灣(コーズウエイベイ)に一号店をオープンしてからすぐにメインランドに上陸し、深セン、広州、上海、南京、大連へと急速に北上しチェーンを展開してきた。また、アメリカ、オーストラリアを含め世界8カ国にも進出しており、2010年には海外300店舗という目標も確実に実現できそうである。また、生麺等の販売も順調に広がり、中国だけでも100以上の主要都市に6,000店舗以上の販売拠点を擁する一大ブランドにのし上がったのである。


 味千中国の創立者は山西省生まれの香港人潘慰(パンウェイ)女史である。香港一号店の後、彼女は深センのテーマパーク「世界の窓」内で自動車屋台を出して観光客に対する味千ラーメンの「啓蒙活動」を行なった。そこで好評を博したため、メインランド進出に踏み切ったのである。屋台でラーメンを作っていたのは潘慰女史本人だった。それから10年後の2007年、「胡潤百富」が発表した中国国内飲食業の長者番付で潘慰氏は全国トップとなった。 総資産額は60億RMB(約1.000億円)である。

 味千ラーメンのうまさの秘訣は、豚骨や魚の骨を煮込んで作ったバイタンスープにある。これは一度食べたら忘れられない回帰性のある香り高いものだと言われており、中国では「白湯之雄」(バイタンスープの極意)と美食家も褒め称えている。

 先月、シンガポール空港でオープンしたばかりの味千ラーメンで、ピリ辛ネギラーメンを汗をかきながら食べた。宣伝通りシャキシャキの白ネギとピリ辛ソースが甘みを引き出した美味しさに、一瞬旅の疲れを吹き飛ばしてしまったような快感を覚えた。



コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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