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UPSメーカー、製品ラインの整備を目指す (2008年09月03日)

~需要の分散化による業界トータルソリューションへ期待~

 UPSユーザー需要の分散化により、多くの業界・企業の、UPSへの持続的な需要を生み出したということが、賽迪顧問(CCID)により明らかになった。賽迪顧問は、2007年中国UPS市場の売上量合計は前年同期比11.5%増の142.6万台となり、売上高は同8.0%増の28.2億元に達すると予測している。


 製品に関しては、2007年中国UPS市場において効率40-60Kva製品の売上高が最大の割合を占めたが、10kVA製品の売上高と占有率も驚くべきものである。今後のUPS製品は、より高いユーザビリティ、安全機能の統合化、インテリジェント化が進んでいくだろう。

 地域別市場構造では、ITの普及レベルが低い地区で急成長を遂げているため、中国UPS市場の分布が分散されることとなった。華東、華北、華南三大地区は、依然として他の地区より高いが、東北、華中、西北、南西4地域においても、大幅な成長を実現した。

 2007年中国UPS市場の特徴は、以下の通りである:

 1.市場競争の激化に伴う、積極的な製品ラインの拡大
 2007年UPSメーカー間の競争はさらに激しくなった。シュナイダー電気がAPCを買収、統合後は製品ラインを充実させ、特にハイ・パワーUPS面に力を入れている。同時に、外国メーカーもハイエンド技術の実用化を急ぎ、中低価格の市場の開拓に取り組んでいる。国内メーカーは価格と販売ルートにおいて優位なため、中低価格市場での地位を固めている。また、日々新技術開発を進め、自社の製品ラインを改善して、技術においても市場トップを目指している。将来中国UPS市場の多くの製品ライン上で、国内外メーカーの直接対決が見られることになるだろう。

 2.ユーザー需要の分散化に伴う、トータルソリューションの持続的発展
 2007年、UPS製品は金融、通信等業界の大企業に集中するだけでなく、これまで需要が少なかった業界・地区においても急激に広まった。西北、西南と東北などの地区市場および交通、エネルギーなど業界において、UPSのニーズは非常に高い。従来の金融、通信、電力など業界の中では、UPSの需要は数量から品質へと移行しており、更に安全な電力供給トータルソリューションが重要な問題になりつつある。市場では単一製品の競争力は次第に下がっており、各業種のトータルソリューションが、依然として今後UPS製品の発展へのカギとなる。

 3.ルート調整の継続、サービスが競争の焦点に
 IT関連製品ルートの「扁平化」が進み、日々の市場競争が激しくなったことで、UPSメーカーは自社のルート戦略および構造に対する調整を続け、実用化、柔軟化と効果の最大化を生み出す組織へと移行している。UPSの製品特徴と販売対象が、専門的な小売販売という企業戦略を決定したと言える。専門販売代理店は、製品をよく理解し、製品販売、アフターサービスやシステムインテグレーションを実現することで、ブランドを最大限に生かし、その利益を最大限に得ることができる。UPSマーケティングの中で、販売ルートとブランドは単純な代行、交替可能な関係ではなく、密接な共生関係を結んでいる。このように、代理店とメーカーが単に製品を販売するだけでなく、共にブランドを経営していくことによって、メーカーとルートの共同成長が実現するのである。

 ルートの「扁平化」は、ルート業者に対し、より高い水準を求めることになる。特にサービス面は、最重要事項である。専門的な小売販売の実施、ルートとブランドの直接融合に従って、そのサービスもブランド化傾向が現れるようになる。このサービスのブランド化はメーカーとルート業者に、より高い利益をもたらすのである。

 この先5年の中国UPS市場について、賽迪顧問は引き続き安定して増加するだろうと予測している。2008年~2012年の売上高は年々増え、増加速度はゆるやかに下降するも、2012年には中国UPS市場の売上高が33.7億元に達し、年平均成長率が4%程度になるだろう。


コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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