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デジタル映像市場:技術の統合化が顕著に (2008年09月03日)

  【概要】
 2008年3月4日、賽迪顧問(CCID)は“2008中国消費マーケットプレイス年次例会”において《2007-2008年中国デジタル影像(デジタルカメラとデジタル・ビデオカメラ)市場年間研究報告》を発表した。2007年、中国デジタルカメラ市場は急成長を続け、販売量は855.2万台、成長率は32.8%。それに比べるとデジタル・ビデオカメラ市場は、販売量0.7%増の122.1万台だけだった。2006年の同時期の伸びより少なく、これは市場がまだ十分開発されておらず、普及していないためと考えられる。値段も高く、デジタルカメラに取って代わる機能などの制限があるため、現状では、一般消費者のデジタル・ビデオカメラに対する依存度はまだ低い。





  【市場現状】
 
  1、手振れ補正機能が標準搭載に、顔面認識機能は人気に
 日々の技術進歩と消費者の製品性能への要望の高まりにより、手振れ補正機能は大部分のデジタルカメラ製品で、標準搭載となっている。電子手振れ補正機能から光学手振れ補正機能まで、単一技術の手振れ補正機能から、多重手振れ補正機能まで、2007年デジタルカメラの手振れ補正技術は日々進化している。顔面認識機能は2007年、関心度の高かった技術である。各大手メーカーは次々と顔面認識機能搭載製品の開発に取り組んだことで、2007年市場では自動顔面認識・オートフォーカス機能付きデジタルカメラがよく売れた。

  2、700-799万画素製品が主流に、1000万画素にも市場の関心
 2007年、中国デジタルカメラ市場の主流は、700-799万画素になっており、その割合は38.2%にも上がった。2007年下半期には、800万以上画素製品が700万画素の代わりに市場成長の関心事となっており、増長速度もとても速い。デジタル一眼レフ領域においては、1000万画素製品が普及していくだろう。

  3、一眼レフデジタルカメラの市場は両極向け展開
 2007年一眼レフデジタルカメラは、初心者向けと上級者向け製品というように、両極向けに展開している。うちに、初心者向け製品の価格、性能を両立させることに取り組んでいる諸メーカー間の製品競争は激しく、また市場の反響も良い。各大手メーカーは初心者向け一眼レフ市場を重視し始め、価格上の魅力も大いに消費者の心をつかみ、比較的変化が少なかった2007年デジタルカメラ市場に活力を与えた。

  4、地域格差は依然として大きい
 中国デジタル映像市場を地域別に見ると、依然として大きな格差があることがわかる。中国デジタルカメラとデジタル・ビデオカメラの地域別市場の中で、販売量の地域依存度が高く、華北、華東と華南の三大地域が最高だ。デジタルカメラの普及率の高まりに伴い、その地域別構造も均一化へと向かうだろう。

  5、ハードディスク搭載型ビデオカメラが人気に
 2007年、ハードディスク搭載型ビデオカメラの人気は急速に高まり、市場の主役となっている。市場は本格的にハードディスク搭載型の時代に入り、同時にデジタル・ビデオカメラも、標準解像度から高解像度へと移行している。

  【今後の動向】

  1、デジタルカメラとデジタル・ビデオカメラの統合。
 技術進歩と市場の発展に従って、高解像度の写真の撮影もできるし、フルモーション映像製品制作もできる製品が、今後のデジタル映像製品の主流基準となる見通し。

  2、高解像度製品は今後2年の注目製品に。
 2007年、多くのデジタルカメラはビデオ撮影から高解像度ビデオへと移行し始めている。(例:ソニーW200、コダックZ1275、カシオZ1200)。デジタル・ビデオカメラ領域において、2003年にソニー、キヤノン、シャープ及びJVC4社は共同でHDV規格を発表しており、高解像度デジタル・ビデオカメラの展開動向を決定した。今後もこれに沿って発展していくだろう。

  3、高速CMOS画像プロセッサーはCCDを上回る見込み。
 技術の進歩に従って、より高性能な画像プロセッサー、より速いコンバーター、画像転送用無線接続、より安全なNANDフラッシュメモリとより高い解像度のセンサーが求められ、さらに幅広く使われていく。ソニーとキヤノンは多額の出資をして、CMOS生産ライン強化を図っている。これによって、年間生産量は数百万へと激増することになり、一眼レフカメラだけではなく、小型家庭用カメラも間もなく、CMOSイメージセンサーを搭載することになる。CMOSとデジタル・ビデオカメラの組合せも日々に増えているおり、デジタル・ビデオカメラ市場の急成長を牽引している。


  4、価格戦略
 デジタル・ビデオカメラと一眼レフカメラ分野において、高価格への抵抗がある中国消費者の特徴にあわせて、今後数年、中国市場の競争は中低価格モデルに集中させ各メーカーもローエンド普及型製品ラインを重視し出資を増やすべきである。

  5、初心者向けデジタル一眼レフの価格が引き続き値下げ。
 一眼レフデジタルカメラは初心者向けと上級者向けを両極に分けて展開しているものの、初心者向け市場を重視するメーカーは次第に多くなり、次々と全く新しい安価の一眼レフカメラを発売している。また、初心者向け級製品の価格、性能などの面で争うことにより、市場シェア拡大を目指す。

  6、デジタル・ビデオカメラの価格はいっそう「大衆化」、コストパフォーマンスは上昇。
 デジタル・ビデオカメラの市場発展と普及のために、製品価格がいっそう大衆化し、一般市民が購入できるようになっている。デジタル映像メーカーは安価戦略をとり、いっそう消費者希望価格に近づけるべく取り組んでいる。






コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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