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「サービスの悪い店」と「悪いサービスを気にしないお客」 (2008年03月31日)

 先日、事務所の近くにある星巴克(しんばーかー、スターバックス)にコーヒーを飲みに行ったのですが、2人の男性店員はインターネットか何かの話に熱中していて、私がカウンターのところにいても気が付きません。

 コーヒーを注文するために店員を呼んだところ、のろのろとカウンターまで来たのですが、決められたセリフを私に言い終わると、レジを打つ時もコーヒーを作る時も、ずっと同僚と大声でおしゃべりしっぱなしです。

 中国には「店員はお店がヒマな時は同僚とおしゃべりしててもいい、の法則」みたいなものがあって、中国系のお店ではこんなことは日常茶飯事なのですが、外資系、それもホスピタリティーを1つの売りとしているシアトル系でこの対応は止めてほしいです。

 星巴克は1999年に故宮の中に中国第1号店となる紫禁城店を作り、今年で中国進出9年目を迎えますが、星巴克のサービスは9年経った現在でも進出当時から進化しているとは言い難いのではないでしょうか。

 しかし、これはなにも星巴克に限った話ではなく、肯徳基(けんだーじー、KFC)や吉野家(じーいえじゃー、吉野家)など他の外資系チェーン店のサービスもひどいものです。こうしたチェーン店の本社の社長はお忍びで中国に来て、自分の会社の看板を掲げたお店がどんなにひどいサービスを提供しているのか、ぜひ見てほしいものだと思います。

 ただ、私は日本にある同じ会社のチェーン店ですばらしいサービスを受けたことがあり、それらと比較するからものすごく腹が立つわけであって、大部分の中国の人たちは最初から「こんなもんだ」と思っているため、サービスのひどさは気にもならないようです。

 中国人の友人と星巴克にコーヒーを飲みに行って、私が店員の態度の悪さに腹を立てても同意するどころか「柳田、お前は星巴克にコーヒーを飲みに来たんだろ。目的であるコーヒーはこうしてちゃんと手に入っているんだから、店員の態度なんかどうでもいいじゃないか」と逆に諭されてしまうのです。

 中国では「サービスの悪い店」と「悪いサービスを気にしないお客」の間でうまく折り合いがついているため、サービスの悪さに腹を立ててイライラするのは、海外のレベルの高いサービスに慣れた私たち外国人だけになってしまうのです。

コラムニスト 柳田 洋 Yanagita
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最終更新日 2012-04-27

 

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