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中国ICカード市場(2008年第1四半期) (2008年09月03日)

 1.応用の一部飽和により、市場全体が下降状態
 2008年第1四半期、中国ICカード全体の販売量と売上高はそれぞれ2.5億枚、13.2億元であり、共に前年同期よりやや下落することとなった。モバイル通信カードの製造量は前年比増だが、身分証市場が次第に成熟してきたため、この分野のICカード市場は下降し、それが全市場の成長にも影響している。

 第1四半期のモバイル通信カード販売量は前年同期比12.5%増で、発展の主要原動力は膨大な携帯電話ユーザーの番号変更と毎月増加している新規ユーザーである。昨年の同時期よりモバイル通信カードの容量が増えたことで単価がやや上がったため、売上高も前年比増となっている。


 2.CPUカードが主流に、売上高がメモリカードを逆転
 商品構造を見ると、中国ICカードの主な応用市場は長年CPUを用いたモバイル通信カードが占めてきた。2008年第1四半期のCPUカードは依然として市場シェアの大部分の74.2%を占めており、この構造はすぐに変わることはないと見られる。また、主力のメモリカード身分証製造の減少に伴い、CPUカードの比率がさらに増加傾向にある。販売額では、CPUが何期か連続でメモリカードを追随した後に逆転しており、主な原因は身分証を始めとする高額メモリカードの製造量が減ったためである。


 3.モバイル通信カード、“三強”時代の終わり
 第1四半期、モバイル通信カードの商品構造では、GSMに基づいたデータ業務が中国モバイル通信業務の中で絶対的優位と占めており、幅広く利用されているGSM方式のSIMカードは依然としてモバイル通信カード商品の主流である。2008年第1四半期、SIMカードの製造量は1.55億、前年同期比小幅増となっている。CDMA方式のUIMカードの製造量は基本的に安定しており、市場シェアは昨年同期と同水準を維持している。しかし、PHS用のPIMカードは勢いが衰え、市場占有率は次第に減少している。2008年第1四半期の最大の変化は、新たに3G方式のUSIMカードが増えたことである。中国の3Gはまだ試用期間であるため、全国で八都市のみでしか業務が開始されておらず、USIMカード全体の製造量は少ないが、中国モバイル通信カード市場が長年続けてきた“三強”構造を打ち破ったと言えるのである。


 4.十大メーカーが市場を統率
 現在の中国ICカード市場のトップ10メーカーの中に、海外メーカーは金雅拓(Gemalto)と捷德(Giesecke&Devrient)の2社しか入っておらず、その上中国国内メーカーの成長に伴い、この2社の市場シェアはプレッシャーを受けることとなった。2008年第1四半期のICカードブランド構造を見ると、トップ10メーカーの製造量を合わせるとすでに全体の90%近くに上り、競争が非常に激しいICカード市場では、その他のメーカーのランク入りは難しいということがわかる。


 2008年第1四半期、金雅拓(Gemalto)の販売量と売上高が市場第1位であることに揺るぎはなく、次いで東信和平、3位には大唐、4、5位に握奇と捷徳(Giesecke&Devrient)が続いている。トップ10メーカーは基本的にはモバイル通信カードのサプライヤーである。モバイル通信カードの利潤は次第に下がってきてはいるが、その膨大な販売量がもたらす営業収入はランクに十分影響するのである。以上から、モバイル通信カードのサプライヤーとしては、キャリアの中国カードメーカーに対する購買が重要であることがわかる。


コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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