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電気通信業界再編 (2008年09月03日)

~UPSメーカーに新たな契機~

 5月24日、工業、情報化部、国家発展改革委員会および財務部は合同で《電信体制改革の深化に関する通告》(以下、《通告》とする。)を公布した。《通告》には、以前から伝えられていた全電気通信キャリアに対する“六合三”再編草案(大手6社を分割・統合し、3社に再編)も定められており、この公布が一連の電信再編の幕開けとなった。周知のように、電気通信業界はUPS市場の中でも最重要分野であるため、今回の再編は多くのUPSメーカーに新たな契機をもたらすことになるだろう。

 《通告》の電気通信キャリア再編の“六合三”とは、中国電信が中国聯通のCDMA業務を買収し、中国聯通と中国網通(中国網絡通信)が合併し、中国衛通(中国衛星通信)基礎電信業務を中国電信に併合し、中国鉄道と中国移動(中国移動通信)が合併することで、「新中国電信」、「新中国聯通」および「新中国移動」の“三大勢力”構造を作り出すことである。《通告》はさらに、改革再編と3Gライセンス発給を並行して行い、再編後に3Gライセンスを発給すると述べている。


 《通告》の中に、三大キャリアの再編と3Gライセンス発給の密接な関係を見出すことは難しいが、このたびの再編の結果こそが3Gライセンス発給を日増しに明確にするものであり、三大キャリア全ては3G業務に力を入れていく方針である。

 電気通信業界の発展(特に3Gのもたらす通信設備への大規模投資)は、UPS市場に直接影響を与える。電気通信業界は常にUPS市場最大の消費市場の一つであり、大手UPSメーカーがこぞって奪い合う分野でもあるからである。ここ3年は電信再編草案が確定しておらず、3Gライセンスが未発給だったが、電気通信業界への投資は穏やかに発展し、同業界におけるUPSも安定した成長を遂げてきた。賽迪顧問(CCID)のデータによると、2007年中国UPS市場の電気通信業界における売上高は7.5億元、市場全体の26.6%にも上り、各業種のトップとなっており、その成長速度に関しても8%前後と安定している。


 今回の再編草案の公布によって、電信再編が次第に拡大するに従い最終的な統合結果がどうなろうと、三大キャリアは自身の戦略・目標を明確にすることになる。つまりそれはキャリアが3Gへの投資を加速させていくことであり、この再編は間違いなく電信投資ブームを起こすことになるだろう。そしてその中で、UPSメーカー(特に中・高効率のもの)がチャンスをつかみ、十分な電気通信業界ソリューションを提供すれば、ブームの中で利益を得ることができる。つまり電信設備業者やUPSメーカーにとって、発展への大きなチャンスなのである。

 2008年オリンピック前後には、再編後の中国移動が40ヶ所以上の中・大都市に及ぶTD-SCDMAの第二期建設を展開するとみられ、関連ベースステーションは4万ヶ所以上に上る見込みである。2009-2011年には、新たに15万ヶ所の建設を予定しており、中国移動だけでTD-CDMAベースステーションは約20万ヶ所、総投資額は約900億元となる。もし再編後の新電信がCDMA2000ライセンスを、新聯通がCDMAライセンスを発給することになれば、3Gのベースステーションはさらに15万増え、2008-2012年の間に完成されるだろう。したがって、今後数年以内に中国3Gネットワーク構築は投資のピークを迎えると言え、UPS商品は3Gベースステーション建設には不可欠なものの1つなので、このような投資は各メーカーを電信市場へ大いに惹きつけることになるだろう。そして今回の電信再編後の投資ブームの中で、どのメーカーが大きく伸びていくのか、目が離せない。


コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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