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イーサネット・スイッチ市場の発展 (2008年09月03日)

 2008年上半期、中国イーサネット交換機(スイッチ)市場は安定した成長形勢で、市場規模は44.9億元に達し、前年同期比5.8%増となっている。

 キャリアは都市圏イーサネット建設を進めている。2008年キャリア再編は都市圏イーサネット建設にはあまり影響はなく、逆にFTTH建設の加速および業務発展によるネットワークモデルチェンジが、2008年大手キャリアが都市圏イーサネット建設を拡大する要因となっており、ミドル・ハイエンドイーサネット交換機市場の発展を牽引している。

 同時に各業界においても非常にいい発展形勢が見られ、金融、政府、エネルギーなどの業界では情報化推進に従い、ネットワーク設備に対するニーズが絶えず増加している。特に、年初から自然災害の頻発で、テレビ会議、監視カメラ、応急通信などのネットワークアプリケーションを、政府や各業界が重視してきており、ネットワークおよび設備建設を後押ししている。


 市場構造では、H3Cが企業ネット市場の強みを生かして国内市場の2番手として、Ciscoの企業ネット市場での主な競争相手となっている。技術の壁が比較的高いキャリア市場では、華為、Juniperも台頭してきている。Juniperが2008年EX系の高密度交換機商品をリリースしたことが、キャリアハイエンド交換機市場でCiscoの新たな脅威となり、市場の競争を日増しに激しいものにしている。

 ミドル・ローエンド分野では、国内「第2線」メーカーである烽火、中興、鋭捷、神州デジタルなどが競争を繰り広げ、各社投資を拡大している。そして長年積み重ねた基礎の上に自社の強みをプラスし、業界で少しでも抜け出そうとしているので、2008年のミドル・ローエンド交換機市場はすでに白熱化していると言える。


 2008年交換機(スイッチ)製品面では、大容量、高伝送速度、次世代スイッチ、ルータの一体化が発展の特徴である。現在は、10GBイーサネットスイッチが主流製品となっており、教育、電信業界のデータセンター、データベースがハイエンド交換機アプリケーションの主要分野となっている。またIPTVなどネットワークアプリケーションや電信分野の都市圏イーサネット大規模建設によって、イーサネット交換機がさらに高速化していくだろう。2007年5月IEEEにより100GBイーサネット交換機規格が決定され、大容量および高伝送速度は交換機の発展トレンドとなるのは間違いない。

 次は無線とセキュリティ分野。2008年は長年の積み重ねと推進により、WLAN(無線LAN)が製品から市場にまで至る成熟していく年になるだろう。中国電信が5月に大規模なWLAN設備を採用、電信キャリアも今後WLAN技術を導入していく構えで、これは必ず将来の中国WLAN市場に影響を及ぼす。またWLANは手軽で使いやすいため法人ユーザーに受け入れられており、2008年のWLAN市場は急速に成長、WLANモジュールの交換機の発展を後押しすることになり、無線の特徴はますます多くのイーサスイッチに取り入れられると予想される。またセキュリティはネットワーク設備ユーザーが最重要視する問題であり、特に現在のネットワーク業務と企業業務フローの融合と、ネットワークセキュリティアプリケーションは最重要事項である。そして交換機がイントラネットのバックボーンとなるので、より多くのセキュリティ機能を備えたイーサネットスイッチが将来市場で主導権を握ることになるだろう。

 2008年下半期は、オリンピック期間の“アクセス規制”が第3四半期に多少影響するだろうが、制限されたニーズが第4四半期および2009年第1四半期にかけて放出されると見られるため、全市場への影響はそれほど大きくはないと思われる。そしてFTTH建設の加速が都市圏イーサネットの発展を支えていくだろう。ミドル・ハイエンド交換機市場の成長を牽引する都市圏イーサネットは、各大手メーカーの競争の焦点となっており、華為、北電、烽火などは自社の路線を打ち出している。この市場で生き残って行けるかどうかが将来へのカギとなるので、下半期は都市圏イーサネット交換機市場の競争がますます激しいものになるだろう。


コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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