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中国プリンター市場分析 (2008年09月03日)

~2008年第2四半期分析~

 2008年第2四半期の我が国の経済発展状況はほぼ良好だが、インフレ圧力が大きく、プリンターに対するユーザー需要が大きく落ち込んだため、中国プリンター市場全体の売上に影響した。賽迪顧問(CCID)の調査統計によると、第2四半期の中国市場のプリンター販売台数は、2007年同期比1.7%減の194万1,900台で、売上額は昨年同期比0.3%減の26億8,000万元だった。これは、中国プリンター市場で10四半期ぶりのマイナス成長である。

 機種別市場シェアを見ると、第2四半期のインクジェットプリンター市場は相変わらず元気がなく、製品販売台数も昨年同期比6.8%減の118万300台に落ち込んでおり、プリンター市場全体の販売不振の主要原因になっている。しかし、レーザープリンターと昇華型プリンター(熱転写プリンターの一種)は、交通、製造、政府、教育、一般家庭での需要が伸び、売上台数が伸び続けている。賽迪顧問(CCID)の統計によると、第2四半期の中国市場でのレーザープリンターと昇華型フォトプリンターの販売台数は、昨年同期比でそれぞれ、10.1%増の51万700台、36.5%増の1万3,600台と伸びている。


 ◆レーザープリンターの市場ポジションが益々高く
 レーザープリンター製品の価格低下に伴い、そのコストパフォーマンスの優位性が顕著となり、レーザープリンターに対するユーザーの購買意欲が日増しに高まっている。そのため、現在の中国プリンター市場ではインクジェットからレーザーへと移行する過渡期にあり、レーザープリンター製品のプリンター市場での売上シェアも伸び続け、2005年の19%から現在は26.3%に増え、徐々に市場の主流製品の一つになっている。さらには、コストパフォーマンスが益々強化され、カラーバリエーションも進化し続けていることから、レーザープリンター製品の市場ポジションは、今後も高まると見られる。

 ◆サムソン、沖電気、ブラザーが中国市場で健闘、レノボは日増しに形勢不利に
 第2四半期の主要ブランドの市場販売状況を見ると、サムソン、沖電気、ブラザーが健闘しており、市場全体が不振な中で、3つのブランドの製品販売台数は、昨年同期比で二桁の伸びを示している。中国市場への資源投入度を強化し、業務管理方式の改善やブランド力の向上を行ったことで、この3ブランドは、2008年の市場開拓において十分な原動力を示し、市場成績も良好だった。HPとキャノンは、インクジェットプリンター製品の売上不振が続く中で、製品販売台数が減少し、製品のモデルチェンジのスピードも落ち、機種や種類も少なく、広報宣伝やルートセールスが不足するなど、多くの原因により、レノボプリンターが抱えるユーザーを次々と失ってしまった。現在、五輪市場という強力な牽引力があるにもかかわらず、製品販台数の下落を止めることができず、統計によると、第2四半期の製品販売台数は、昨年同期比22.1%減と大幅に落ち込んだ。

 ◆市場寡占競争の様相を呈する
 プリンター市場の成熟により、一部ブランドの寡占状態集が日増しに激しくなり、独占競争の様相を呈してきた。賽迪顧問(CCID)の統計によると、第2四半期は、HP、エプソン、キャノンの3ブランドで、中国プリンター市場の78.5%のシェアを占め、2007年同期比で約2.5ポイント上昇した。トップ8のブランドで全体の93.3%のシェアを占めるほどの寡占状態にあり、前年同期比でも増加となっている。市場寡占状況の下で、現在、プリンター製品のコア技術も、HP、エプソン、キャノン、サムソン、ブラザーなど少数企業が独占しており、その他のメーカーがこのような寡占状態に割って入るには、相当に難しい状況で、寡占競争も現在の中国プリンター市場の主な発展形態になっている。



  • 発行者:賽迪顧問股份有限公司(CCID)コンピューター産業研究センターコンサルタント 鄧道正

  • データ:同上、2008年7月

  • 邦訳者:CCID日本事務所 金絲猴

  • 著作権:全てCCID日本事務所に帰属します。無断転載を堅く禁じます。

コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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