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ノートパソコン市場、伸び率47.5% (2008年09月03日)

~2008年第2四半期分析~

 賽迪顧問(CCID)の研究データによると、2008年第2四半期、中国ノートパソコン市場の販売台数は、昨年同期比47.5%増の189万7,000台となり、第1四半期の56.3%増に比べて大きく反落した。マクロ経済政策の引き締めや株式市場への引き続きの打撃、突如発生した自然災害などが、市場需要にマイナス影響をもたらした。また、ブランド同士の競争が激化したことで、製品投入間隔が短くなり、販促手段は強化される一方となり、市場の需要と供給が激しい変化にさらされた。過激な競争の中でも、聯想は依然、圧倒的な強さで市場トップの地位を守っており、トップ5のメーカーで市場の71.4%のシェアを占めている。


 ◆製品バージョンアップが進み、セールスポイントが増えた。
 デュアルコア(注1)がノートパソコンの主流となり、ハードウェアの進化の趨勢は、ワイドスクリーン、大容量、ハイビジョンとなっている。OSでは、VISTAがインストールされているケースが多いが、実際の使用状況から見ると、VISTAはなお、ウィンドウズXPの影響を受けている。製品をPRする際のセールスポイントが増え、宣伝方法も単純に機能や価格優位性をアピールするスタイルから、ユニークな応用をアピールする方向へと移行しており、製品設計上のカギは使用感の良さとなっている。第2四半期は、新製品投入や内蔵部分のバージョンアップにしろ、販売促進や広告宣伝強化にしろ、メーカーは一通り取り組んでおり、市場拡大に向けて大きな効果をあげた。

 ◆ニーズが広がり、一般家庭向け市場の比率が急上昇した。
 客観的に見ると、業界全体にかなりの影響があったが、一般家庭向けノートパソコン市場のニーズが広がり、中でも、デスクトップパソコンの代替として受け入れられていることが分かる。一般家庭向け市場の比率が急上昇し、47.6%に達した。一般家庭向け市場での競争は、業界市場での競争よりはるかに熾烈であり、寡占状態も減り、小売ルートが開拓されるに従い、デルの一般家庭向け市場でのシェアが高まった。サムソンは、製品や価格の調整を行い、一般家庭向け市場でのポジションを絶えず強化している。

 ◆政府買付の抑制、業界市場での冷め感。
 マクロ経済政策の引き締めや金融市場の不振、また、5月12日の四川大地震の影響もあり、多くの業界ユーザーは、業務開拓や被災地援助に全力をあげる中で、政府の買付用支出も抑制され、ノートパソコン市場全体のみならず、IT市場も5月下旬から徐々に不景気になった。また、北京五輪が近づくにつれ、五輪関連の設備の買付も完了し、業界購入がひと段落した。さらに、人民生活に深い関わりがある医療の情報化により、交通や物流分野での伸びが見られた。

  • 発行者:賽迪顧問股份有限公司(CCID)コンピューター産業研究センター総経理 文芳

  • データ:同上、2008年7月

  • 注1:一つのパッケージ内に二つのコアを集積したプロセッサ(CPU)のこと。

  • 邦訳者:CCID日本事務所 金絲猴

  • 著作権:全てCCID日本事務所に帰属します。無断転載を堅く禁じます。

コラムニスト CCID Ccid
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最終更新日 2012-11-14

 

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