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2009年の中国ビジネス (2009年01月23日)

 今年2009年は今まで破竹の経済成長を続けてきた中国にとって「一回休み」の年であると同時に、「ガマンの年」となることが予想されます。

 国際機関や銀行が予想する今年の中国の経済成長率は軒並み7%台。中国は経済成長率が8%を下回ると失業者の問題が顕在化し、国家の安定を揺るがす可能性が大きいと言われていますので、いかに世界的な金融危機の国内経済への影響を最小限に食い止めるか、中国政府の力量が試されます。

 一方で今年の景気減速は中国政府が経済構造改革を押し進めるにあたって、絶好のチャンスになると思われます。

 中国政府は中国経済を輸出型から内需型へ、製造業中心からサービス業中心へ、低付加価値型から高付加価値型へと脱皮させようとしていますが、景気が良かった時には輸出型低付加価値製造業の会社でも好景気に支えられてなんとなく生き延びることができてしまいました。しかし、景気が悪くなれば、輸出型の低付加価値製造業から内需型の高付加価値サービス業の方向に自らを変えていけない会社は淘汰されてしまいます。

 今まで好景気が続いてきましたので、中国企業はどこの会社もそこそこの業績を収めてきましたが、今年は同じ中国企業でも、何も考えずにただただ景気の波に乗っかって業績を伸ばしてきた会社と、今までにないモノやサービスで新たなマーケットを開拓して業績を伸ばしてきた会社とでは、業績に天と地ほどの差が生まれ、二極化していくことが予想されます。

 中国株を買おうとしている方は、同じ業界でも儲かる会社と儲からない会社に分かれていくことが予想されますので、今まで以上にその会社の業務内容や将来性について突っ込んだ研究をする必要が出てくるのではないかと思います。

 そう言った意味では、今年の景気の減速は、中国でビジネスをしようと考えている私たち日本人にとっても大きなチャンスになると思います。

 中国はいままで好景気が続きいけいけどんどんでしたので、コスト削減ビジネスがほとんど育っていません。一方の日本では長引く平成不況に鍛えられ、たくさんのコスト削減ビジネスが生み出されています。

 コスト削減ビジネスで一日の長がある日本人にとって、今年の景気減速は、中国での新たなマーケット開拓の強い追い風になるのではないでしょうか。

 日本人、中国人に関わらず、今年2009年は、頭を使って新たなマーケットを切り開く人にとっては、大きなチャンスを掴む年となるのではないでしょうか。

コラムニスト 柳田 洋 Yanagita
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最終更新日 2012-04-27

 

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