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天干地支の文化を共有する東アジアでは… (2014年02月03日)

 天干地支の文化を共有する東アジアでは2014年は馬年。安倍首相は年明け早々、地元の後援会が主催する「新春の集い」に出席し、「障害を力強く乗り越えていく駿馬のように、困難に怯むことなく立ち向かっていく」と年男であることに触れて新年の抱負を語った。

 年男ではないが、台湾・中華民国の「馬」総統も「万馬奔騰、百業振興」(多くの馬が勢いよく跳躍するように、すべての産業が振興するように)と祝福の言葉を揮毫したお年玉袋を旧正月の元日(1月31日)に公表した。人気の高いお年玉袋を求めて多くの市民が総統府に押しかけたという。

 しかし、馬総統自身はかつての栄光を失って人気が低迷している。米国産牛肉輸入問題、電気代とガソリン代の暴騰、司法干渉騒動、そして無能と酷評される経済政策等で支持率が当選当初から暴落し、未だに一桁前半を抜け出すことは出来ない。2012年1月、ライバルの民進党党首蔡英文候補を辛うじて破って二期目の総統を続行できたが、このままの調子では何れ政権を失いかねない。

 この閉塞感を打開しようとして馬総統が取った方針は対岸の大陸との関係強化である。1月2日、総統府声明で「台湾経済が更に拡大するためには、両岸関係の行き詰まりを終わらせる必要がある」と言い、その後更にこの秋に北京で開催予定のAPECに出席し、習近平国家主席と会談する意欲を表明した。そのための事前調整とも憶測される初の閣僚級会談も間もなく南京で行われる。

 中華民国(Republic of China)と中華人民共和国(People's Republic of China)、お互いに自分こそが中国の合法的な政府(「一つの中国」)と主張する両政権の急接近はこれからの中台関係や周辺国にも大きな影響を与えるのは必至だが、成熟した台湾の民主政治が教材となり、手本となって今後の中国大陸の民主化を導くことを期待する人も多い。

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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