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先週月曜日にある日系企業のタイ工場を視察… (2014年03月10日)

 先週月曜日にある日系企業のタイ工場を視察した。工場はアユタヤ等タイ中部の広範囲に分散しているため、移動には企業の自社ヘリコプターが使われた。

 ヘリがバンコク市内を出て北上するとどこまでも続く青々とした水田と、その水田に囲まれている綺麗な屋根の村落で構成した広大な田園風景が広がってきた。上空からこの田園風景を見て再びタイ農村部の豊かさを実感させられた。タイは世界でも屈指の米生産国であり、2011年までは最大の輸出国でもあった(世界輸出量の31%)。お米はタイの命である。

 しかし、インラック首相が2011年7月の下院総選挙において米担保融資政策を公約してからはタイの米輸出は減少に転じはじめ、今やインドとベトナムの後塵を拝することになってしまった。また、この政策によって生じた米の大量在庫や巨額な財政損失は現政権を苦境に立たせてしまう。これは昨年来、野党勢力がデモを繰り広げインラック首相の早期退陣を迫る遠因の一つにもなっている。

 インラック首相は、この苦境を脱出しようとあれこれ苦慮している。首都バンコクと北部のチェンマイなどを結ぶ4路線に中国の高速鉄道を導入する場合、車両の代金の一部をタイ産のコメ年100万トンと天然ゴム20万トンで払うことで中国政府と合意を得たという。しかし、政府の在庫米は1,200万トンを超えているそうだ。たとえ中国が国際入札に勝っても年間100万トンでは問題の根本解決にならないと言わざるを得ない。

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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