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面積6,300平方kmの中に約2千万人・・・ (2007年03月04日)

 面積6,300平方kmの中に約2千万人(流動人口を含む)が犇いている。人口数、密度とも国内ナンバーワンの上海では、交通問題は常に市政府の「重大任務」の一つである。それが自動車の急増によって一層深刻になっている。現在、月約5千台ずつ増えているが、予想よりも15年繰り上がって今年9月にも200万台に上ると予測されている。

既存道路の整備、新しい道路の建設、そして渋滞を引き起こす交通ルールの改善など、当局はあの手この手を使って問題解消に躍起してきたが、最近になってとうとう庶民の足である自転車に目をつけ始めた。専用レーンの廃止と主要道路の走行禁止である。900万台もある上海の自転車がたちまち窮地に追い込まれてしまったのである。かつて自動二輪車の市街区進入禁止が宣言された際は市民に歓迎されたが、今回の措置に対しては反対の意見も強く弱者苛めだと怒る人も多かった。自転車は低所得者の最も経済的な交通手段だからである。

だが、かつて洪水のように流れていた自転車も影が薄くなり、自転車専用レーンも道路の主役になった自動車に譲らざるを得なくなってきたことから見ても分かるように、全国的に見ても大都市では自転車はかつての栄光が消えてしまいつつある。

ただ、それでも中国の自転車生産量は依然年間5千万台を超えている。また、去る5月4日に開幕した「第15回中国国際自転車展覧会」には、台湾をはじめ、日本、オランダ、ドイツ、アメリカなど世界各地の自転車メーカー1,000社余が出展したという。台湾の大手自転車メーカー「巨人」の本年度の年間販売目標は150万台となっている。中国製造の海外販売というのも外資各社の狙いだが、農村部の自転車に対する衰えない需要が国内マーケットを魅力的にしているのである。

中国市場のポテンシャルとなる部分に目をつければ、成熟産業にも新規参入の可能性が大きい。

コラムニスト 文 彬 070331bun
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最終更新日 2011-08-20

 

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