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ハード一流、ソフト三流・・・ (2007年03月04日)

 先日、出張で久しぶりに山西省に行ってきました。

山西省は中国一の石炭の産地です。このため、私が丸紅の北京支店で石炭の仕事をしていた時は、毎月のように出張で行っていたのですが、起業して石炭と縁がなくなってからは、ほとんど行く機会がなくなってしまいました。

北京から山西省の省都・太原(たいゆぇん)までは、飛行機で1時間。久しぶりの太原は、道路が整備されていたり、郊外にマンション群ができていたり、ウォルマートやマクドナルドができていたりと、めざましい発展を遂げていました。

ホテルは5つ星のところができ、レストランも豪華な内装のお店がたくさんあるのですが、その化けの皮は太原に着いて1時間もしないうちに剥がれました。サービスのレベルが、設備の進化に追いついていないのです。

太原に着いてから、夕食を食べるために、非常に豪華な内装のレストランに入ったのですが、入り口に立っている接待員は、こちらを見ることもなく、無表情のまま大声で「歓迎光臨(ほぁんいんぐぁんりん、いらっしゃいませ)」と言うだけ。「マネージャーが言えっていうから言ってるだけであって、別にあんたを歓迎してるわけじゃないのよ」という、「言わされ感」丸出しの態度です。

そして、店内に入って注文をしようとすると、マネージャーが寄ってきて、アワビやフカヒレなど、値が張るものばかり薦めてきます。「客の都合なんか知らないわ。なにしろ高いもん注文させて、あたしの成績上げなきゃ」と言わんばかりです。

更に、そうしたお薦めを無視して、自分の食べたいものを頼もうとすると、「それは無い」とか、「今日はできない」とかそんなのばっかり。無いんだったら最初っからメニューに載せるな!、と言いたくなります。

きれいな内装のレストランを作るなら、数ヶ月あればできますが、サービス精神の無い人に「良いサービスとは何か」ということを教えるには、何年にもわたる教育が必要です。

ハード一流、ソフト三流。

高度経済成長を続ける中国では、続々と立派な建物が建設されていますが、成長が早すぎて、その立派な建物に見合ったすばらしいサービスを提供する人を育てるのが間に合っていないように思います。

今後は、立派なハードに見合うように、ソフトのレベルを上げていくことが、中国の課題となるのではないでしょうか。

コラムニスト 柳田 洋 Yanagita
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最終更新日 2012-04-27

 

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