WJFCについて 講座・セミナー申込み 過去の講座オンデマンド配信 会員サービス 異文化人材データバンク コラム

コラムの詳細

アフリカでの影響力を強める中国企業・・・ (2007年03月04日)

 11月初旬、北京で「中国・アフリカ協力フォーラム」が開催されました。

今回のフォーラムはアフリカ48カ国の首脳が北京に集結する、ということで、大規模な交通規制がしかれたり、会社の出退勤時間や学校の登下校時間を調整したり、と、それこそ国家のメンツをかけての大接待、という感じでした。

なかでもすごいと思ったのは、フォーラムが開催される直前に、北京の街中の広告看板の大部分が「中国・アフリカ協力フォーラム」の看板に替わったことです。

たぶん、中国政府が「国家のメンツがかかっている」ということで、看板を所有している会社に有無を言わさず、今まで掲げていたお客さんの看板を下ろさせたのだと思いますが、この辺は資本主義国になったとは言え、さすが中国、日本にはマネができないな、と思いました。

さて、アフリカは私たち日本人にとっては比較的遠い存在ですが、中国の人たちには、既にビジネスの対象として見られているようです。

アフリカに進出している中国企業は700-800社。各国の首都では中華レストランが増加しているようです。市場には中国製のTシャツや靴があふれ、商業施設には中国から輸入された安価なおもちゃや家電製品が並んでいるそうです。

ビジネスチャンスがあるとわかれば、どこへでも行くこのバイタリティ。往年の日本の総合商社は、こんな感じだったと思うのですが、今ではすっかり中国企業にお株を奪われてしまいました。

「中国・アフリカ協力フォーラム」では「中国企業の投資は大歓迎」という表明をしたアフリカ諸国ですが、実際にはいろいろな問題が起こっているようです。

南アフリカでは中国製品の大量流入によって、事業閉鎖に追い込まれる地元企業が続出。関連業界が中国製品の流入に対して強く反発をしているそうです。また、中国系企業で働く労働者の待遇の悪さはアフリカ各地で問題になっており、ザンビアでは今年7月に、中国企業が保有する炭鉱の労働者が、低賃金に抗議して大規模な暴動を起こしたそうです。

良い意味でも悪い意味でも、アフリカでの影響力を強める中国企業。「今すぐアフリカに進出しろ」とは言いませんが、私たち日本人がこの圧倒的なバイタリティに学ぶべきところは多いのではないでしょうか。

コラムニスト 柳田 洋 Yanagita
参照URL
最終更新日 2012-04-27

 

意見投稿・レビュー

採点
コメント

※投稿には当フォーラムの会員登録が必要です。 ログインはこちら

今までのレビュー一覧