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第一話 猫虎飯店とは (2007年04月07日)

  “お昼、たったそれだけですかぁ?! 中途半端って言うか、中国人には腹三分の量です。そんな量だと、中国人には少な過ぎて食べた後に皆胃が痛くなります。日本人って本当に小食ですね”。 昼食については郷に入っても郷に従えず、日本での習慣を引き摺りカップそばorうどんを手にする我々日本人駐在員に対し、ストレートに発せられた総務課長代理のこの言葉。中国人の大食漢については、以前から気にはなっていたものの、こうもハッキリと言われてしまうと、直ぐに中日差異の研究対象のネタにしてやろう、と俄然ファイトが湧いて来た。早速、大喰いが健康に与える悪影響について一席打とうじゃないかと、弊社内で発足した中日差異検討チームでの論戦を挑んでみた。だが多勢に無勢。“日本人の食事って、ほんと少ないわ。”、“腹八分?何それ?腹一杯が健康の素よ”、“日本人の食べる量って、まるで猫並みよ。そうだわ、猫飯と命名すべきね”(大笑) 中国人女性達の波状攻撃に、第一戦は敢え無く惨敗を喫した。

 私、老松こと松原弘明。2001年から中国ビジネスに関わり始め、その後2004年2月に上海赴任し3年が経過。四半世紀前プロミュージシャンだった事もあり、音や声を中心とした独自の中日文化差異論を展開中である。中国人の声は何故デカい? 中国の騒々しさって? 中国人の舌打ちは何か理由が?....等々、日本人のみならず外国人全般が疑問に思うネタを執筆している。
  • OKI 日沖科技(上海)有限公司(日本語)

  • 同上(中国語)

  • SuperCityChina online(日本語のみ)


  •  次に、本column『老松の猫虎飯店』の由来について。奇天烈なこの名前、名付け親はこの老松自身である。私の質問“日本人が猫飯なら、中国人の食事は何?”対し、前述の中日差異検討チームメンバー曰く、“虎飯よ!”。猫と虎の組合せは、この売り言葉に買い言葉的な会話から生まれた。

     距離的に近く、顔貌が近似し、文化も似ているところのある中日両国の国民。しかし、自分達の考えは近い筈、とのお互いの間違った思い込みが、予期せぬトラブルを生む。また、双方共に優越感と劣等感の綯交ぜになった屈折した感情が、そのトラブルの解決を阻む。そのトラブルのトリガーとなるのは、些細な物の考え方や習慣の違いである事が多い。その誤解を解き、中日双方の異文化交流の扉を開いてくれるのも、これまたちょっとしたキッカケによる場合が多い。本column『老松の猫虎飯店』の執筆動機は、そのキッカケの糸口になれば、の思いからだ。

     最後に、このネーミング猫虎飯店に対する中国人の若者の反応はというと。誰に訊いても“Maohu飯店、何それ?!『猫虎飯店?』へぇ~、全く耳にした事の無い組合せで新鮮な響き。何かクール、カッコいい”と予期せぬ好評にこちらが驚く。さらに、猫と虎は同じ種で仲間と言え、中国の古くからの言い伝えによると、猫と虎は、時には師弟、時には友達、時には良きライバル関係なのだそうだ。偶然にも、日本と中国の理想的な関係を表しているではないか。

    『老松の猫虎飯店』、皆様に「そうそう」と膝を打って戴くネタを紹介し、皆様に愛されるcolumnにすべく、皆様と共に育てていきたい、と考えています。どうぞよろしくお願い致します。

    謝辞 本column執筆に当たり御協力戴いた方に、感謝申し上げます。敬称略。Rainy李,趙橋橋,yunyun 朱,小鈴,Sayuri孫,Christy金。また、ロゴデザインを具現化して戴きました ちこさん ありがとうございました。

    注:『老松の猫虎飯店』の著作権は、全て松原弘明に帰属します。無断転載を堅く禁じます。

    コラムニスト 松原弘明 Right
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    最終更新日 2011-08-20

     

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