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第9話 Possicobilities 初来日講演 大成功 (2007年12月13日)

 本コラム『老松の猫虎飯店』 第7話 Possicobilities初来日でお知らせした彼等の日本での初ライブは、無事成功裡に終える事が出来たようだ。筆者も、中国の国慶節休暇中に開催されたライブに足を運び、都合3回(横浜ジャズプロムナード,二子玉川高島屋×2回)の演奏を聴き大いに楽しませてもらった。まず第一印象、それは完成度が増し、凄みさえ感じるサウンドになっている事だ。ここ最近のPossicobilitiesの進化は目覚しいものがある。バンドユニットとしてのハーモナイズ、作編曲の面、そして風格さえも出てきた。もし初めて聴いたなら、“今まで聴いた事の無い全く新しい音楽だ。中国の芳香を存分に漂わせつつ今風。こんな素敵な音楽があるなんて” と口にするのではないか。今回のライブでは、1stアルバム「夢境 Dream Situation」 注1) には入っていない新作も数多く演奏してくれ、それら新曲がまた素晴らしく魅力的であった。一刻も早い2ndアルバムの制作を、真剣に彼等に催促してしまった程だ。


 Possicobilitiesの初来日は、プロデューサー菊池氏 注2) の尽力と、日中国交正常化35周年が追い風となり、財団法人渡辺音楽文化フォーラムと国際交流基金の2つ著名な財団から助成を受け、さらに日本中国友好協会と中国大使館文化部からも後援が得られた。日中友好、言葉は綺麗だが、非常に困難なその課題の第一歩は、ありきたりではあるが互いの全く異なる文化や習慣に触れる事だ。そこで、ボーカルでリーダーのCocoさんに、日本の印象を尋ねてみた。「日本で素晴らしい時を過ごしました。今回の日本ツアーの中で特に印象に残ったのは、日本人の効率的な仕事だ。ボク達をサポートしてくれた裏方の方々の仕事振りについてです。プロフェッショナルで完全主義、でも皆とても親切で、そしてお互い助け合っている。御蔭で心地よく演奏が出来たんだ。ありがとう。今回訪れたのは横浜と東京だけだったけど、それぞれのスタイルや特徴があって美しい街並みだった。ほんの1週間の滞在だったので、深く知るためにはもっと時間が必要だけど、日本人は独自の地域性と文化を保ち、そして自らの新しいスタイルを築いている事を感じた。そして、日本の生活の質の高さにも感心させられたよ。最後に、ちょっと奇異で面白く感じたのは、日本人のマナーについてだなぁ。ちょっと挨拶し過ぎだよ~(笑)」

 Possicobilitiesのライブを今回初めて鑑賞された中国人と日本人の観客に、感想を尋ねてみた。
 ★20代中国人女性 : 同じ世代の中国人の若者が、心地良い音楽を演奏している。それも多くの海外を訪れ、外国の方々を自分達の音楽で幸せにしている。中国古典とコンテンポラリーな音楽をフュージョンさせ、全く新しいオリジナリティ溢れる音楽を創造するなんて、すごいアイディアです。同じ中国人として、彼等をとても誇りに思います。あと、Cocoの声はすごい不思議な魅力。
 ★40代日本人男性 : CDに比べ、生の迫力と生き生きとした演奏に感動しました。その中でも特に、彭飛の技は印象的でした。バカテクでした、想定外でした(笑) 次回上海訪問の際にも、ライブ 注3) に是非行きたいと思っています。
 ★30代日本人女性 : 彭飛さんは、Cocoさんの声がどうやったら一番良く響くのかを、知り尽くしています。Cocoさんの声に集中し、自分のヴァイオリンの音を奏でていました。また、リズムセクションはしっかりとサポートしていて、特にピアニスト黄健怡さんの職人芸も印象的でした。

 もっと詳しくPossicobilitiesを知りたい方は、中国で10万部発刊のフリーマガジン「SUPER CiTY CHiNA」の『中国の音』コーナーで、老松が以前執筆したエッセイを御覧になって下さい。
夢境 Dream Situation
彭飛迷 (彭飛フリーク)
可可 coco ♪Look at me~

謝辞)執筆に当たり御協力戴いた皆様方、ありがとうございました。maple劉,Rainy李。また、中国産業研究の第一人者 東京大学 丸川知雄教授 注4)、初来日講演のプロデュースをされた菊池領子氏 注2) にも御協力を戴き、心より感謝申し上げます。
注1)夢境 Dream Situation
注2)日中を中心に東アジアの舞台芸術交流を推進するプロデューサー菊池領子氏のhomepage
注3)Possicobilitiesの上海でのライブは、毎週日曜の夜、ライブハウスJzにて。 
注4)東京大学 社会科学研究所 丸川知雄教授の公式サイト
注5)『老松の猫虎飯店』の著作権は、全て松原弘明に帰属します。無断転載を堅く禁じます。


コラムニスト 松原弘明 Right
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最終更新日 2011-08-20

 

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