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第25話 日本人へのお願い、これだけは止めてぇ! (2009年03月04日)

 『第20話 中国人へのお願い、これだけは止めてぇ!』そこで書いたのは、「中国の間違い電話の多さに辟易。その原因は電話番号表記法に。中国特有の18927493875等の数字の連続に眩暈がする。それが間違い電話頻発の元凶だ。是非とも電話番号表記法案を(笑)」であった。内容には自信を持っていたものの、中国人の方々の反応に多少不安を抱えてはいた。と言うのは、どのエッセイもそうであるが、細心の注意を払っているつもりでも、やはり中日関係は微妙である。知り合いの中国人からの有り難い指摘により、書き換えを余儀なくされる事も少なくない。しかしながら、20話に対しては、多くの中国人読者から諸手を挙げての賛同や支持を得た。中国人の多様性は何処(いずこ)に?と思わなくも無かったが、中日交流を標榜する老松(らおそん)としては、嬉しい限りである。

 その中で、2人の中国人読者の意見を紹介したい。
 ・毎回熟読し老松に感想をメールしています(笑) いつも鋭い内容に感服ですが、今回の20話は特に意味深い。この数字の研究は私を潜在的な悩みから見事に解放してくれた。実は私はいつも困っていたのである、電話番号の区切り方を。全くその通りだ。貴殿を師として仰ぎたし(笑) (深セン在住30代男性)

 ・猫虎飯店を全~部読みました。とっても意味深いです。全て面白いのですが、一番なるほど!って感じたのは20話です。深く納得すると同時に、あまりの面白さに夜行列車の中なのに笑いをこらえきれず、思わず爆笑でした。 (武漢在住20代女性)

 さて、今回の本題である。逆に中国人側から日本人に対しこれだけは止めて欲しい事とは何だろうか。(ただし、この猫虎飯店では中国人の感情を逆撫でしたり、無闇に反日感情を煽るような行動をしている中国在住の日本人の話題は取り扱わない事とする。)直接周囲の中国人に尋ねてみるも、関心は高いのであるが、意見がなかなか出て来ない。ようやくゲットした最初の意見は、日本在住経験10年以上、現在上海に住む30代男性より2つ。

 ・真夏の日本人の背広にネクタイ姿。あれは見たくありません。こっちが暑くなります。中国では是非共止めて欲しい。 

 ・日本人の礼儀正しさには好感を持ちますが、お辞儀は一度で充分ではないでしょうか。何度も何度もお互い頭を下げ合う日本人を中国で見ると、申し訳無いのですが、ニワトリに見えてくるのです。

 老松自身、上の夏のノーネクタイは実践出来ているものの、下のお辞儀については一度で止める事なぞ日本人相手では到底無理である。しかし、中国人の目にはニワトリに見えていたとは、う~ん確かにそうかも知れない。

 次に紹介するのは、上海在住20代女性の意見。
 ・自分自身は思い付かないんですけど、、、 私の友達曰く「日本人は客気(遠慮深い, 礼儀正しい)過ぎて、考え方や性格を理解するのはとっても難しい」と。

 この意見は以前から良く耳にする。特に日本に在住経験のある中国人より「“今度家に遊びに来て”と日本人の友達は言うんだけど、いつも“今度ね”。待てど暮らせど“今度”は一向に来ないんです。日本人は最初はフレンドリーなんですけど、だんだん冷たいって思えてくるんです(涙)」 そこで、周囲の日本通の中国人に聞きまわってみたが、どうも意見が同意と反対に真っ二つなのである。この背反する意見は単に中国人の多様性からか?と半ば諦めかけたところ、ふと気付いた。日本人親切⇒冷たい説を唱える中国人は東京を中心とした関東に、日本人は親切なまま説を主張する中国人は関東以外の地域、に分かれるのではないかと。この相関を検証するには未だ充分な事例は集まってはいないが、私の知る限りでは今のところ全て当てはまっている。注1) また、以下3つの事由もこの仮説の検証を後押ししている。

 その1)この老松自身、25歳で福岡から上京した際、東京の人達のなかなか腹を割ってくれない言動に、虚しさや憤りを日々感じていた事を思い出す。

 その2)日本在住経験有りの中国人の中でも、特に田舎に住んだ中国人は、「え?そんな事は全くありませんでした。周りの日本人は非常に親切にしてくれました」と言う意見ばかりだ。田舎もそうであるが、面白い事に、関西在住の中国人も同様な傾向が見られる。

 その3)確かに「関西人の付き合いは馴れ馴れしくてちょっと」と関東人の愚痴をしばしば耳にするではないか。

 と言う事で、今回はタイトルと内容が伴わなかった。『日本人へのお願い、これだけは止めてぇ!』については、今後も継続研究課題の一つである。中国人読者の方々へ。何か御意見ありましたら、是非お聞かせ下さい。

  • PR)筆者がパーソナリティを務める『中国の音~ネットラジオ版~』、第12回がuploadされています。是非、こちらも御一聴下さい。第12回 「彭程氏の音楽 時空超越の謎 解明」  ただしすみません、日本語のみでの放送です。


  • 謝辞)執筆に当たり御協力戴いた、Billy李,ting楊,Super汪,sai姚,yunyun朱,Lisa王,Baiwei孫,Sunny孫、ありがとうございました。また、yunyun朱の品質の高い中文翻訳にも深謝します。(敬称略)

  • 注1)東京下町の場合、日本人は親切なまま説が有力で、関東に属しながら例外的である。

  • 注意)『老松の猫虎飯店』の著作権は、全て松原弘明に帰属します。無断転載を堅く禁じます。



コラムニスト 松原弘明 Right
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最終更新日 2011-08-20

 

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